世界中の上流階級が集まり、世界でも最高額な価格設定だった最上級レストラン内の録音


世界の中でも、
最高位の上流階級たちが集まる「社交の場」の
音楽を録音したレコードは、当方復刻CDでも
既に複数タイトルで御紹介させてもらっておりますが、
お店というのは珍しいかも知れません。

このお店は、レコードが発売された1950年代当時、
世界でも最高額を誇る値段設定のレストランとして
有名だったそうです。
ただ高いということより、そういった
「高額の支払いができる」という立場も、
身分の証であったのかも知れません。
しかし、そうは言っても、高額な支払いができる
というだけでは、この店には入ることが出来ず、
現在では考えらえれない程の
身分差別があったようです。

『世界で最も高額な最上級レストランにて』(EH-754)

当方復刻CD『世界で最も高額な最上級レストランにて』(EH-754)

このレストランを利用するには、
予約を入れるらしいですが、開店は夜の9時30分です。
(当時の)支配人によると、
他の客より良い座席を確保しようと、開店前後の
早い時間に到着するのは「人間的な小物」なのだそうです。
「大物」は、ゆっくり後から・・・?(笑)
でも、座席は支配人によってランク付けされた
「人物のランク」によって、
あらかじめ位置が決められている
のです。

その「人物のランク」は、支配人
(当方復刻CD『世界で最も高額な最上級レストランにて』の
最初と最後に出てくる人物で、ライナーに名前も記載)
によって、お客が店の入り口に入った時点で決められます。

まず、メインルームのドアへ案内されるのは、
公爵などの貴族、ハリウッドの映画スター、
ニューヨークの銀行家、テキサスの石油会社、
南米の億万長者、国家元首など、だそうです。

メインルームの中でも座席のランクがあり、
他にもいくつかの特別席、最高位の席もあるそうです。
そのランクは、支配人が客の名声、服装や
仕草などを合わせ、瞬時に「人格の高低」を
細かく分析して判断するとのこと。
表面的に見えている部分だけでなく、
内面的な人格までみる・・・
つまり上質の客かどうかを判断する
ということなのでしょうね。

楽団演奏は、深夜2時頃まで行われ、
社交ダンスも楽しみながら、交流がされていたそうです。

一方、店の入り口で、
支配人に「ランク外」と判断された方は、
もう一つのドアへと案内されます。
そして、そこを通って抜けると
店の裏口に出るそうです・・・


知らずに店の外へ出てしまったら、
びっくりするでしょうね(苦笑)

店の裏口はタクシー通りになっていて、その客は
タクシーで他の店に行くか、帰るか・・・ということで、
店に入れるか、入れないかは支配人次第。

現在では・・・それも昔の話となり、
今は身分差別のない、一流のレストランになっています。
建物は現在でも存在し、ずっと昔から
幽霊も出ると言われている、いわくつきのスポット

としても現地では知られているそうです。

心霊スポットはともかく、
録音が行われた1950年代当時、
高い人格の上流階級の人たちが
上品に楽しんでいたレストラン内の風景と音楽・・・
お客の話声や、食器の音なども背景に混じり、
まるでその場にいた上流階級の人々の空気を
共有しているようなムードです。

この録音では、
それにアナログ・レコードのノスタルジアなムードが
合わさって、いい感じのサウンド
が、
スピーカーから溢れ、場が和む(なごむ)気がします。

そういえば、上流階級の人たちが集まる場所って、
「高い気が流れる」といいますよね。
部屋の換気をして、
静かにこの録音を部屋に流すと、部屋の中に
「良い気が流れる」かもと思いながら
楽しむ日曜日の午後でした(笑)

音楽、演奏も素晴らしくてオススメです。

『世界で最も高額な最上級レストランにて』(EH-754)

収録曲目:
ムード・トゥ・ビー・ウード / マンテカ
スワンダフル / ジン・アンド・トニック
パウ・ジェ・アラーラ / ルビー
サックス・カンタビレ / 月光のマンボ
ラグタイム / なぜだか言い給え
ニーナ・ポポフ / スペインのマンボ
歩いて帰ろう〜ディドント・ウィー
ソー・イン・ラヴ (So in Love)

(曲間含む合計:約39分43秒)

御試聴は商品ページで出来ます。