1944年製作のアメリカ映画『呪いの家』の一場面

映画に合わせて、はじめて音楽(ピアノ伴奏)が付けられたのは、
1895年3月22日にパリで公開された「シネマトグラフ」(映画の方式名)
であったといわれています。
それから1920年代後半、映画がトーキー(映像に音声が伴った)化される
までの「無声映画」時代には、劇場専属で映画を説明する弁士(活弁)とともに、
ピアニストまたは小編成の楽団が伴奏を付けたり、
既成のレコード(SP盤)が代用されていました。

当時は劇場が個別に、そのようにしていたため、リアルタイムでの
劇場内録音は残っていないようですけれども、
後にピアニストや弁士が、レコードとして(当時していたものを)
吹き込んだ録音は、ある程度、残されています。

音楽的なジャンルとしては、クラシックが多いものの、
徐々に映画独自の音楽も作られるようになって行き、
1927年に部分的でも世界最初のトーキー劇映画となった
『ジャズ・シンガー』からは、ミュージカルが急増しました。
大恐慌を経て、第二次大戦から終戦までは、
あまり大きな変化はなかったものの、戦後にヒッチコック監督が
不安描写のために、電子楽器のテレミンを使うなどの
新しい音楽手法が出て来ました。

1940年代以前 製作映画のタイトル・リスト(各作品のページにリンクしています)


『アンクル・トムス・ケヴィン』(Uncle Tom’s Cabin)1927年製作、アメリカ

『街の風景』(Street Scene)1931年製作、アメリカ

『わが谷は緑なりき』(How Green Was My Valley)1941年製作、アメリカ

『呪いの家』(The Uninvited)1944年製作、アメリカ

『白い恐怖』(Spellbound)1945年製作、アメリカ

『赤い靴』(The Red Shoes)1948年製作、イギリス