『白い恐怖』(Spellbound)1945年製作、アメリカ
『白い恐怖』(Spellbound)1945年製作、アメリカ
監督:アルフレッド・ヒッチコック
音楽:ミクロス・ローザ
主な出演者:
イングリッド・バーグマン(女医のコンスタンス・ピイタアゼン博士)
グレゴリー・ペック(J.B.)
レオ・G・キャロル(マーチンソン博士)
本邦公開:昭和26年11月
アルフレッド・ヒッチコックが監督したこの映画は、
精神病院を舞台にしたスリラーもので、
ジャッキー・グリースンのレコード・ジャケットも描いた
巨匠サルヴァドール・ダリによる画面構成を用いたことでも
当時話題になったそうです。
モノクロがメインですが、
ダリの絵を使った構成の不気味さに加え、
自殺シーンに
一部カラーを加えるなどの異常な表現が、
より一層の心理効果をもたらしました。
また、ヒッチコック監督は、音の面でも
心理劇作品の効果を盛り上げるために、
通常の楽器以外のものを提案し、
当時珍しい電子楽器のテレミンを採用します。
そして、音楽にはミクロス・ローザを採用して、
不気味な美しさをかもし出す音楽に仕上げました。
これらの音楽は、
1945年(第18回)アカデミー賞音楽部門の
「劇・コメディー音楽賞」の部門で受賞しています。
☆
アカデミー音楽賞も受賞した、この音楽は好評で、
『スペルバウンド・コンチェルト』として、
あらためて鑑賞用レコードに、まとめられました。
その最初に吹き込まれたレコードアルバムを
復刻させていただいたのが以下、当方の復刻CDです。
『白い恐怖』の音楽(EW-178)
ミクロス・ローザの『スペルバウンド・コンチェルト』は、
ここに収録させていただいたレコード・アルバムが
最初の吹込みになります。
他の指揮者の場合も含めて、
いくつもの吹込みがされておりますけれど、
その原点が、ここでお聴きいただけるのです・・・
彼らが考えた、このレコードの方式は、
映画のサウンドトラックではあるものの、
音楽を聴いてもらって、
「映画のイメージを再現させるために、
あらためてスコアを用意する」という
考え方から来ています。
つまり、映画の背景流している音楽を
そのままレコードにするということでなくて、
鑑賞用にスコアを編集して演奏したものを
レコードにする、ということで、
これは後のヘンリー・マンシーニも行っています。