『呪いの家』(The Uninvited)1944年製作、アメリカ

『呪いの家』(The Uninvited)1944年製作、アメリカ

監督:ルイス・アレン
原作:ドロシー・マカードル
作曲:ヴィクター・ヤング

主な出演者:
レイ・ミランド(リック・フィッツゼラルド)
ルース・ハッシー(パメラ・フィッツゼラルド)
ゲイル・ラッセル(ステラ・メレデス)

本邦公開:昭和21年6月

怪奇現象の起きる断崖上の一軒家を舞台にした、初期のミステリー映画。
美しいステラを殺害しようとする死霊に対し、
ステラを護る善霊と、彼女を愛する若い作曲家が戦い・・・ 

この映画のテーマ曲として作られた「星影のステラ」は、
恐怖映画のものとは思われない程に美しくて、
ロマンティックなメロディーです。
作曲は、ヴィクター・ヤング、作詞はネッド・ワシントン。
ナット・キング・コール、ジョニー・マティス、
サラ・ヴォーンなど、色々な歌手によっても歌われていました。

試聴音源(準備中)は
『日曜の夜の遠い幻想』(EH-104)から。
深い夜の風景を表現したムード・ミュージックのアルバムなのに、
恐怖映画のテーマ曲が選ばれている不思議。
静かなイントロに、重厚なストリングスが広がって
行く演奏は、幼少頃に見ていた風景・・・空気の冷たい
冬の夜、横浜市大病院の前で信号待ちをしている情景が
重なってしまいます(苦笑)
日曜日の夜、祖母の家から帰る時に
横浜市大病院の横を歩いて、
横浜駅へ向うバス停に行くのですが、その手前の信号を
待っている間の時間が、
ちょうど、こんな感じの「幼少時の私の心境」だったのです。
「あぁ、これから家に帰って寝たら、月曜日の朝だ・・・」
って(笑)
その頃、学校は楽しくなかったんですね。
『ロマンティック・スクリーン』(EH-354)から
こちらも大編成ストリングスによる豪華な演奏ですが、
収録された12曲全部が映画の音楽です。
『精神世界の女』(ST-348)から
3つ目は・・・どうなんでしょう。映画と同じ女性の死霊?のような声で(笑)
精神世界のムードとして表現されているような、
アメリカで1960年代前半に発表された、とても奇妙な作品です。
精神世界・・・それは目や耳などの肉体的な器官で感じるものではなく、
魂で感じる世界のこと・・・人間として生まれる以前、あるいは
胎児としての状態、または肉体が滅びた後に行く世界のことですね。