伊福部 昭 作曲「50年後の日本」~日本の自然と日本人の夢~

日本を代表する作曲家の一人、伊福部 昭(いふくべ あきら)氏の
生まれが1914年5月31日とのことで、
今日が生誕107周年でした。

1990年代に入った頃の話ですが、
まだインターネットがありませんでしたから、私は
海外のオリジナル盤(レコード)を入手するために、
外国の複数の中古レコード屋さんから通信販売で
取り寄せるようになっていました。

そこに大きな店もいくつかあったものの、個人経営のような
小さなお店の方が、どちらかというと、
私の探すようなマニアックなレコードを積極的に
探してくれたと思います。
中古レコードのカタログと一緒に
手紙が入っていることもあり、何だか文通(死語?)
のようになっていたお店もありました(笑)

ただ、そういう人が私の情報をばらまくのか、
知らない中古レコード屋の店主や、コレクター等から、
時々、エアメールの手紙が届きました。
それらの手紙は、磯崎が欲しがっている(何々の)レコードを
持っているので、いくらで買わないか?とか、
日本で発売された(何々の)中古レコードを探して欲しい・・・等
といったものです。
複数の方と、そんなエアメール交換が続いていた頃、
インターネットが普及し、当時使っていた接続業者(ソネット)でも
ホームページ開設の料金が安くなって(といっても、
月に5千円位かかったような?)来ました。

それで、私は彼らとの情報交換のためにホームページを開設し、
レコードの楽しみを共有していました。
そんな中、欧米のレコード・コレクターから、
Akira Ifukube(伊福部 昭)氏のレコードを探して欲しいと
依頼されることが多かったのです・・・ この時、もちろん
お名前は知っていましたが、どんなレコードが
出ていたのかも、よく知らず、当時日本国内(関東圏だけですが)
の中古レコード屋を探し回ったのを覚えています(笑)

キングレコードからシリーズで出ていたLPとか、
東宝レコードの作曲家シリーズ、
日本コロムビアの「大魔神」のLPも良かったですね。
逆に、イタリアのコレクターから購入した
伊福部昭 氏のレコードが1枚だけあります。

イタリア盤『ビルマの竪琴』のサウンド・トラック

1956年公開の日本映画『ビルマの竪琴』のサントラ・レコードで、
これはLP盤が出ていなく、EP盤だけの作品ですが・・・
日本では発売されなかったようです。

そして、写真にあるのが伊福部昭 氏による作曲のソノシート
「50年後の日本」です。
1970年3月から、大阪の千里丘陵で開かれた
日本万国博覧会の「月曜広場」で展示された「三菱未来館」のもの。
この館のテーマが「日本の自然と日本人の夢」で、
自然に挑戦し、50年後の日本がどうなっているのかを演出しています。
ソノシートの録音も展示室と同じ順番・・・
第一室「日本の自然」、第二室「日本の空」、第三室「日本の海」、
第四室「日本の陸」、第五室「あなたも参加する」・・・で
アナウンスされて行き、伊福部昭 氏の音楽が、全編を通して流れます。

当時予測された内容の全部は実現しておりませんけれど、
バックに流れる伊福部 流のムードは本当に独特で、印象的です。
1970年から50年後というと、
昨年の2020年のことになりますが、どうでしょうかねぇ・・・
予測云々というよりも、やっぱり伊福部昭 氏の作曲による
音楽に尽きる1枚!
と、書いておきながら、お聴かせできなくてスミマセン・・・
どこかで復刻されると良いですが。
全編ミステリアスで、時々恐怖や不気味なムードのある
素晴らしい作品でした(笑)