「マントヴァーニ TV ショウ」の、ある日のリハーサル音源

中古レコード屋も
まだ東京都内近郊には多くあった、1980年代・・・
高校生の私は、中古レコード屋に行って、
“ムード”と書かれた棚をよく探索しました。

そこでポール・モーリアのレコードと同じくらい、
大量の在庫があったのが、マントヴァーニ(Mantovani)楽団。

ムード・ミュージックといえば、
代表的な存在のアーティストなのですが、
レコード・コレクターには、おそらく逆に、珍しく無さ過ぎて、
あまり興味の対象ではないのかも知れません。
再発盤も無数にありましたし・・・

でも、「シャルメーヌ」「魅惑の宵」など、
かつての名演には素晴らしいものが沢山あるのも事実です。
新しめの作品は、「?」なのですけれども。

ところで、
バラードものを歌うアメリカの人気歌手、
ヴィック・ダモンがイギリスに訪問した時、
イギリスでも大人気だったマントヴァーニの
テレビ・ショウに、ゲストとして出演することになったそうです。

それで、ヴィック・ダモンは
「How Deep is the Ocean」を歌う事になり、
本番前のリハーサルとして歌い、マントヴァーニ楽団が
伴奏したものを録音したのが、
写真のEМIディスク(ラッカー盤)です。
1958年8月24日のことだったそうです。
その時の放送は、翌年、つまり1959年に
アメリカで放映されたそうですが、
日本ではどうだったんでしょうね。

写真の現物は、
確か当時の番組プロデューサーが持っていたもの
だったと思い(直接メールで教えてくれたのですが、
私の記憶が少し曖昧)ましたが、
何年も前に関係者を介して私の手許にあります。

このEМIディスクに記録されているのは、
リハーサル音源のため、
その日、本番前の緊張した空気も詰められているであろう、
貴重な録音ですけれど、経年劣化もあり、かなり傷んでいます。

世の中にある、このように残された録音は、
年月の経過とともに、人々の記憶からも消えて行き、
朽ちていってしまうのでしょうね・・・。

これは、以前に当方ブログに記載していた記事です。