消えたレコードを追い求めた話「リトル・ダーリン」追記編
「リトル・ダーリン」という曲については、当方の
別の記事“「リトル・ダーリン」のインストを味わう”
でも簡単に御紹介させていただきましたので、
合わせて御覧いただけましたら幸いです。
黒人コーラス・グループ “グラジオラス” による
「リトル・ダーリン」のレコードは、
アメリカのエクセロ・レコードから1957年1月に発売されました。
写真が現物、アメリカの原盤です。
確かに名曲「リトル・ダーリン」なんですけれども、
既に聴いているザ・ダイアモンズ(昔の日本盤では「ザ・ダイヤモンズ」と
書かれていましたが)のものと比べてしまうと、
あまり魅力がないのです・・・
白人のザ・ダイアモンズは、黒人グループの曲のカバーを連続して
ヒットさせました。もちろん彼らの魅力もありますけれど、
やはりアレンジ演奏のデヴィッド・キャロルの
面白さだという事を再認識しました。
日本のキング・レコードのシングル盤からスタートして、
日本フォノグラムのシングル、日本ビクターのシングル、
そして日本フォノグラムのCDの順で聴いた後、
多少どこかのラジオ番組で聴いたものもありましたが、
LPを入手して他のナンバーも聴きました。
後編で紹介した日本フォノグラムのCDを
手に入れてから2、3年後のことですが、
横浜は伊勢佐木町に「ハマ楽器」という、比較的大きな
レコード屋さんで、このLPを偶然見つけ、購入しました。
中古ではなくて新品なので、返品し忘れた在庫だったのかも知れません。
現在「ハマ楽器」はソフト販売をやめてしまったみたいですね。
余談ですが。
このLPにも、残念ながら「ディン・ドン」という曲の
収録はないですが、私が他のアーティストよりも
ザ・ダイアモンズの方が良いと思った録音は、
「リトル・ダーリン」を含め、デヴィッド・キャロルが
アレンジ演奏したものばかりでした。
デヴィッド・キャロルが指揮する楽団のムード・ミュージックは、
当方でもいくつか、復刻CDにさせて頂いて
御紹介していますけれど、楽しい作品が多いです。
グラジオラスのものと聴き比べると、編曲や伴奏の面白さも
重要な要素になっているのが、よく分かります。
さらに後に、アメリカで当時発売された
ザ・ダイアモンズのオリジナル盤(原盤)を入手してみました。
アメリカでは「リトル・ダーリン」のB面は
「ディン・ドン」ではなかったので、ちょっと驚きました(笑)
日本で発売された日本盤は、どれも日本のレコード会社が
カップリングしたものだったんですね。
そして、究極のレコード・・・SP盤を最後に御紹介しておきます(笑)
まぁ、SP盤というのは
“シャーシャー” という雑音(ホワイト・ノイズ)がするので、
「一発録り」(マスターに、編集や加工の出来る磁気テープを使う前の時代、
音溝を掘りながら円盤に録音していたこと)でないなら・・・
つまり、マスターが磁気テープ録音なら、音質を語っても、
殆ど意味がないように私は思っています。
EP盤の順位と同じように、昭和32年当時の資料(上の写真)もお見せします。
「日本楽器」のところに “SPは余り売上げが上がらず”
とあるように、日本ではやっとこの頃から、
ドーナツ盤に移っていったのでしょうね。
順位表では「ダイヤモンズ」の「ズ」が「ヅ」になってましたが
気づかれました?(笑)
そして、横浜・伊勢佐木町の順位で、曲名の上にレーベルの
頭文字が書いてありますが、本当は「マ」のはずが「コ」に
なってますね。6位のと間違って、入れ替わってます(苦笑)