ジョニー・ティロットソンのアルバム 『She Understands Me』と、生年の謎?
アメリカでは多数のヒットを記録するも、
日本では昭和38年(1963年)夏になって
『キューティー・パイ』が初ヒットになった、
カントリー&ウエスタン畑出身の歌手、
ジョニー・ティロットソン (Johnny Tillotson) 。
高校生だった筆者が横浜の中古レコード屋などで、
当時の中古レコードを探していた1980年代の後半、
ジョニー・ティロットソンの日本で発売されたドーナツ盤は
色々見かけていました。
エフエム・ラジオでのオールディーズ番組では、
たいがい昭和39年5月に発売された
『ポエトリー (Poetry in Motion)』がかかってましたね。
曲は素晴らしいと思いますが、
中古レコードが出回っていてよく見かけると、
結局購入するのは後回しになって、購入しませんでした。
高校3年生の夏に、横浜のディスクプラザで、
このLPレコードを見つけました。

Johnny Tillotson (MGM SE-4270)
アメリカのMGMから1964年12月に発売されたオリジナル盤です!
値段は結構大変でしたけれど、これは聴いてみたいと思って購入しました。
どの曲もメロディーが素晴らしいこともあるのですが、
やはりバックの演奏が印象的で、アレンジが上手いんですね。
もうすっかり、お気に入りになって何度も聴いています・・・
バック・コーラスには、当方復刻CDでも作品を御紹介している、
ジョーダネアーズが参加し、
ムード・ミュージック界でも著名な人物がピアノを弾いている豪華さ!
そして、彼のオリジナル曲が3曲含まれているという魅力。
LPレコードを購入してから、随分の時間が過ぎ去ってしまいましたが、
いまだに、このアルバムの各メロディーは頭に残っていて、
心の良き財産になっています(笑)
それで、この当時オリジナル原盤の「レコードでの音」の鑑賞を
共有させていただきたいと、復刻CDを作らせていただいてもおります。

ところで、筆者がこの復刻CDの解説記事を書いた時、
ジョニー・ティロットソン (Johnny Tillotson) の
生まれた年が、データとして統一されていないことに気づきました。
筆者は、当時の日本のレコード会社の資料を使ったので、
生年月日を「1940年4月20日」にしてあります。
でも他の資料・・・例えば、
音楽評論家の杉原志啓(すぎはら ゆきひろ)氏の記事では
「1939年4月20日」なんですね。
そしてネット上の情報、例えばウィキペディアなどでは
「1938年4月20日」になっています。
1938年、1939年、そして1940年説がある訳ですが、
一体どれが正解なのでしょう???(笑)
この復刻CDを作らせてもらった現物のLPレコードには、
どう書いているのかと申しますと・・・
“Tillotson, who is only 24 years old, has had an exceptionally strong year in 1964. ”
上記は英語の原文ですが、
前後も合わせた文章の内容としては、
24歳のティロットソンにとって、1964年は当たり年だった。
「トゥルー・トゥルー・ハピネス」「ポエトリー・イン・モーション」他、
多数のレコードが海外によっても売上を続々と記録している
と書かれています(生年月日は書かれていませんでした)。
このLPレコードの発売は1964年12月なので、
文章中に出てくる「1964年は当たり年だった」というのは、
ごく自然な表現だと思うのです。
そして、1964年12月時点で、彼が24歳ということは、
やはり生まれは1940年であることが確定ではないでしょうか。
まぁ実際には、彼の歌を楽しむのに、
細かい生年月日なんて、あまり意識しないと思いますけれど、
データとして複数あったので、ちょっと気になってしまいました。
実際には、アーティストの生年月日が
資料によって違っていることは、時々あるんですけどね(苦笑)
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