『真宗々歌』『恩徳讃』神戸女学院大学の「森本敦子記念奨学金」を設立された人物の声と思われるミステリアス録音
親鸞聖人の教えも、生きていく上での勉強となる良き言葉ですが、私自身、
宗教の類には一切の興味がありませんので、
まずはじめに、それをお断りさせていただきます。
仏教、宗教歌であっても、音楽芸術としての解釈です。
現物(写真)は、
日本マーキュリー(兵庫県西宮市)による25センチ盤LPレコード。
ジャケットは黒の下地に、金色の「クジャク?」の影絵ようなものが
印刷されていて、『聖歌集』と『Song of Buddhism』としか文字がありません。
製品番号、定価の記載はありませんため、自主制作のようです。
レコードラベルには番号「L-1425」とあります。
作りから見て、昭和30年〜36年頃のものに思われますが、
具体的な年号を示す情報はありませんでした。
A面:宗歌合唱『真宗々歌・恩徳讃(旧・新)』
佛教聖歌合唱団 大阪YB合唱団
B面:宗歌独唱『真宗々歌・恩徳讃(旧・新)』
独唱:森 剛
ピアノ伴奏:森本敦子
『真宗々歌』は親鸞聖人によって開かれた浄土真宗の仏教歌です。
『恩徳讃』は親鸞聖人による歌詞の御和讃の一つで、
(旧・新)とある「旧」は、沢康雄 氏が作曲したもの。
「新」は清水脩 氏が作曲したものと分けているようです。
レコードB面の個人名、「森 剛」氏と「森本敦子」氏を調べて特定できれば、
吹き込み年数などの具体的な情報が分かるかも知れないと
思いました・・・が、何も手掛かりがありませんでした。
しかし、神戸女学院大学へ寄付をされて「森本敦子記念奨学金」を
創設された、同姓同名の森本敦子 氏の記事を神戸女学院大学音楽学部同窓会
ホームページの『クラブファンタジーだよりVol.41(2015-04)』にて発見、
何か情報をいただけないかと問い合わせしてみました。
このレコードでは、
「森 剛」氏による「独唱」と印刷されているものの、
歌い手の若い男性のバックに、男性にそうような歌い方で、
女性の声が入っています。
つまり、ピアノ伴奏の森本敦子 氏が「音楽の先生」のような
存在で、ピアノを弾きながら(歌い手を指導するような感じで)
歌っているような情景の録音なのです。
ですから、森本敦子 氏は、きっと音楽の先生だったのでは?と・・・
有り難いことに、
神戸女学院大学音楽学部同窓会(クラブファンタジー)から、
いくつか情報をいただくことができました。
森本敦子 氏は、
神戸女学院大学音楽学部音楽学科(ピアノ専攻)を卒業。
卒業後は、大阪芸術大学で教授として、長年にわたり
後進の育成に努められていたとのこと。
2013年に亡くなられていて、遺書により財産を
神戸女学院大学へ寄付され、森本敦子記念奨学金が設立されたとのことでした。
ただし、上記のレコードについての情報は何もないそうです。
森 剛 氏については
「大阪芸大の学生さん、もしくは受験生という可能性はないでしょうか?」
とコメントをいただきましたが、この姓名1文字ずつの
ありふれた御名前で探し出すというのは、
もう殆ど不可能に近いのではないかと、私は思いました(苦笑)
現状は、国会図書館などの公的な機関にも
保存されておりませんし、
もし、レコードの森本敦子 氏と同一人物であったなら、
せっかくの文化遺産でもありますし
録音と一緒に情報も残しておけたらと考えていますけれど、
近年は個人情報にも色々制限をかけられていますので、
具体的な証拠を示す資料の捜索は難しいものですね・・・
確実な証拠物件は見つけられないものの、
上記の情報からは、
ほぼ同一人物であるように推測できますが・・・どうでしょう???
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