『ブラス・アンド・バンブー (Brass and Bamboo)』日本とアメリカの音楽の楽しみ〜タク・シンド (Tak Shindo)
しばしば私の記事に出てくる日系二世のアメリカ人、
タク・シンド (Tak Shindo) 先生によるLPレコードのタイトルです。
アメリカはキャピトル・レコード (Capitol Records) からの
デビュー盤で、1960年4月に発売されました。
写真は、このレコード・アルバムが発売される前に作られた
非売品の宣伝(プロモーション)盤で、
当時、アメリカ国内の大きなラジオ局へ配られた訳です。
大きさは、ドーナツ盤と同じ7インチで、
12曲中の4曲が収められた45回転のEP盤です。
この宣伝盤には、3月14日の発売として
印刷されていますが、実際には4月に遅れたんでしょうね。
ちなみに、私がタク・シンド先生から直接にもらった
古い作品資料によると、
発売は1960年2月26日になっています・・・
多分、これが最初に決まっていた日付だったのかも知れません。
正確な録音日は記録されていないのですが、
1959年12月3日(木曜)辺りのようです。
タク・シンド先生が初めて日本に来た(来日)時のことは、
当時の東京新聞に掲載されていて、
記事によると、キャピトル・レーベルを扱っていた
東芝音楽工業 (Toshiba Records) が、
このLPレコード『Brass and Bamboo』の輸入を計画していたとあります。
この時は既に、キャピトル・レコードとの契約が切れていたので、
東芝音楽工業で日本盤として作れず、輸入しようとしたようです・・・が、
後に彼の復刻盤CDを作らせてもらう時に、
御親族に聞いてみたら、
「輸入はされなかったのでは?」と、おっしゃっていました。
このレコード・アルバム『Brass and Bamboo』は、
日本とアメリカの音楽の楽しみを合体させた
オリエンタルなムードを表現する企画として、
琴や三味線、尺八、雅楽で使う楽太鼓などの和楽器と、
ゴング等のいくつかの東洋楽器が演奏に用いられました。
生前のタク・シンド先生から直接に聞いた話ですが、
これはアメリカのキャピトル・レコードの方から
「こういうレコードを作ってください」という依頼で作ったそうで、
既に注文内容が細かく決められていて、
タク・シンド先生側が好きなように吹き込めた訳ではなかったそうです。
それでも、タク・シンド先生によるオリジナル曲も入っていて、
オリジナリティー(独創性)は十分に感じられるアルバム作品であると思います。
このアルバムは、私自身でも復刻CDとして作らせていただきました。
オリジナル・アルバムの当時のレコードの音にて
雰囲気たっぷりに御堪能いただけます。
商品ページにて御試聴できますので、よかったら御覧ください。
収録にはステレオ版を使っています。
☆
『ブラス・アンド・バンブー』(ST-702)
タク・シンド楽団
© 2024 磯崎英隆 (Hidetaka Isozaki)