録音が語る「しあわせと、生きることの定義」を見つめ直す~『ステレオの販売』レコードから

(これは2015年5月16日に、当方のブログに記載していた記事です)

昭和50年代前半に作られたものと思われますが、
『むずかしくないステレオの販売』というLPレコードがあります。
日本の大きな会社なので、会社名は誰でも聞いた事はあると思いますが、
そこがステレオ装置を作って売っていたなんて、
知る人は少ないのではと思います(笑)

レコードの中身は、日本全国の販売員の声から始まります。
当時20万円近く?もするようなステレオが
訪問販売で1日に3~4件は売れるという女性の声もあり、
ちょっとタイムスリップするような感じで聴いていました。

後に商品を企画設計している技術者の説明などもあり
オーディオとしては、随分と高性能だったようです。
最後に、商品をお求めになった人々へのインタビューがあり、
「マントヴァーニ、ポール・モーリア、
フランシス・レイなどを聴いています(云々)」という
可愛らしい話し方をする若い女性に、
お友達になりたいっ!と思ったり(笑)

レコード両面かけると約60分の社内教育?のような
録音の旅を楽しみました。

モノを作って売るのも大変です。
何で、この会社のステレオ販売は、後に続かなかったのか?
とも考えますが、私には理由も分りません。
しかし、現在とはまた違ったモノの豊かさがあって
ある意味では良い時代でした。

このレコードの説明の中で聞かれる
アナログ・レコードに、エア・チェックのためのカセットテープ、
マイクミキシングによる家族で楽しむカラオケ装置・・・ 
今に比べたら、どれも原始的ですが
それなりに遊びとしての楽しみがありました。
 私はまだ子供時代でしたけれども、親が買って来た
そこまで立派ではないステレオやラジカセで知っています。

このレコードで再認識したのは、やっぱり
「人とのかかわり方」でしょうか。ひょっとしたら、
昭和レトロなんて言う人もいるかも知れませんが、
それは人として「基本事項」ではないかと私は思うのです。

何故、この会社の製品を購入するのか、
何故、その販売員からステレオを買うのか、
そして、使ってみて、何故、喜ばれるのか・・・ 

人や物の見方、そして価値について、
あらためて考えてみました。