レコードの種類と共に見る「16回転」のレコード (16 2/3rpm record) 情報の末路。
この記事は「note」というサイトにて、
前半の序章部分は無料、後半の主要部分は有料記事として、
2024年4月11日から約一ヶ月間、掲載していました。
「note」では削除したため、ここで序章部分を再掲載することにしました。
「主なレコードの種類」
最近では「アナログ・レコード」という言い方もされますが、
一般的に「レコード」というと、
どのスタイルのレコードを思い浮かべますか?
レコード・プレーヤーが、
日本のどの家にもあったような、レコード全盛の時代に
聴いていた世代の方なら、33回転のアルバムとして、
大きさが30センチあるLP(エルピー)盤か、
シングルとも言っていた45回転のドーナツ盤ですよね。
昭和40年代中頃生まれの筆者としては、
雑誌の付録などで入手したソノシート(と呼んでいたペラペラの
フィルム状のレコード)も身近でした。
市販品で、「朝日ソノラマ」のアニメのソノシートもありました。
ソノシートの大きさは色々で、どちらかというと、ドーナツ盤と同じ位か、
もっと小さいサイズの方が多かったでしょうか。
でも、サイズにかかわらず、45回転と33回転がありました。
盤が30センチ(12インチ)の大きさで、
33回転(正確には、33と1/3回転)のLPレコードは、
「米CBSコロムビア」が、
1948年に長時間用として開発したレコードでした。
他に、25センチ(10インチ)盤の大きさのLPレコードがありますが、
それはアメリカでも初期時代のLPレコードです。
日本のLPレコード(洋楽)の発売は1951年からであっても、
アメリカのように、先に10インチ(25センチ)タイトルが
多く出ていた訳ではなかったため、
12インチ(30センチ)盤の同タイトルよりも曲数を減らして
安く売る(廉価版)として多く作られていました。
もちろん、1960年代でも、初めから10インチで
発売されたタイトルもあります。
レコード全盛の時代で、おそらく誰もが一番よく扱ったのは、45回転の
ドーナツ盤だったのではないでしょうか。
45回転のドーナツ盤は、手軽に単体で曲が聴けますし、
テレビ主題歌、ポップスのような、テンポの良い短い曲(現在は
長い曲も多いですが)に向いています。
もともと、短い曲のポピュラー演奏用に
「米RCAビクター」が、1949年に開発したレコードでした。
「78回転レコードの想像と、正体」
筆者が小遣いを持って、近所のレコード屋さんへ(新品の)
レコードを買いに行っていた時代(昭和40年代末から
昭和60年にかけて)には、
33回転と45回転のレコードしかありませんでしたが、
祖父母の家に行くと、両親がそれぞれ若い頃に買った、
大きなステレオ装置があって、
その回転数には、33回転と45回転以外に、
78回転と16回転もありました。
これが不思議で仕方なかったんですね・・・
「78回転のレコードはないの?」と尋ねる子供時代の筆者に、
両親は「ずっと昔のレコード」と、説明しましたが、
「一体どんなレコードが78回転なのか?」と、
よく思ったものでした。
最近は見ないですが、
テレビで戦前のニュース素材か何かの「ドキュメント・フィルム」を
流すと、人の動きなどが、もの凄い早さで動いているのが、昔は、
しばしばありました。
筆者は、あんな感じを想像していたんです・・・何か、もの凄く
早いテンポの、大昔の録音が入っているレコードのような(苦笑)
この78回転のレコードは、少し後に
母方の祖母の話から理解しました・・・というのも、
祖父が戦前から買っていた(蓄音機でかける)SP盤レコードが
多数あったそうで、筆者が生まれる前、近所の人に欲しいと言われ、
蓄音機ごと全部差し上げてしまったそうなんです。
この頃のテレビで、おじいさんが割れたレコードを接着剤でくっ付け、
蓄音機でかけるストーリーの「瞬間接着剤アロンアルファのコマーシャル」
が頻繁に流れていて、蓄音機でかけるレコードが、
78回転のレコードであったことに気づきました。
そして、実際には母親が興味半分で買ったらしい1枚だけが
残っていたのですが、5歳ごろの筆者がおもちゃにして、
知らずのうちに壊していました。
おもちゃにしたレコードは、厚みのある重い盤で、
椅子の上から水平に畳の上に落とすと「ボワンッ!!」って、
もの凄い音がするので、
面白くて何度もやっている内に椅子の足に盤の縁が当たって、
半分に割れてしまったのです・・・
蓄音機のレコードを知ってから
「あぁ、あれが78回転のレコードだったのか!」と。
33や45回転のように、レコード盤のラベルには
回転数が書いてなかったので、筆者は気がつかなかったのです。
・・・と申しても、幼い筆者には、アダプターを使う
大きな穴のレコードが45回転、小さな穴のは33回転であると
両親に教えられたため、穴の小さいSP盤を33回転でかけて、
内容もチンプンカンプンだった経緯が正しいかも知れません(苦笑)
余談ですが、祖父母の家にあったステレオ装置では、
78回転のSP盤をかける時に、レコード針を変えられるように
なっていて、カートリッジの部分に付いているツマミを
180度ひっくり返すと、SP盤用の針になる仕組みでした。
もちろん、それが分かったのは、筆者がSP盤の存在を知ってからの
話になりますけれど・・・(笑)
「16回転レコードの想像・・・」
そして、両親がそれぞれ若い頃に買ったステレオ装置にある、
もう一つの回転数、16回転のレコードとは何なのか?
その回転数が書いてあるレコード盤は、祖父母の家にも見当たらず、
両親に尋ねてみても、
「16回転のレコードなんて、見たことなかった」と言います。
複数の叔父や叔母などに尋ねてみても、答えは同様でした。
筆者にとっては、78回転のSP盤の逆の想像・・・
つまり、もの凄い、超のんびりとしたテンポの演奏や歌が
入っているのかと(笑)
でもそんなスタイルの音楽なんて、何も想像出来ず、
両親や他の大人達の誰もが知らないという回転数のレコード
となると・・・
例えば、低次元の悪霊とかが低い声で・・・
『お〜ま〜え〜も〜・・・く〜る〜し〜めぇ〜!!!』みたいな?
ことを超スローで語っている録音??? とか
想像してましたが、いくら何でもね(苦笑)
結局、筆者は子供ながらに変な想像をしていましたけれど、
そのうち忘れてしまい、時が経ちました。
1994年12月に音楽之友社から発売された
『長岡鉄男の日本オーディオ史(2)アナログからデジタルへ』
という書籍を発売時に早速購入して読んでいたら、
「オーディオ史年表(1945〜1987年まで」の中の
1958年の項で、こんな記述がありました。
“4スピードは16 2/3、33 1/3、45、78回転で、
当時の主流だったが、16 2/3のディスクは見たことがない。”
『長岡鉄男の日本オーディオ史2 アナログからデジタルへ』長岡鉄男(音楽之友社)
187ページ、オーディオ史年表の1958年の項、から
との記述を発見。
長岡鉄男 氏ですら、見たことがなかったんだなぁ・・・と思っていましたし、
レコードの歴史に関するような書籍でも、16回転というレコードについて
触れているものがあっても「そんなのがあった」程度のようです。
「16回転のレコードを突然、手元で見ることに!」
でも、ある日「16回転のレコード」であったことも知らずに
偶然入手したレコードにびっくり!
これは一体何なのか?・・・ということで、
調べてみたのも、もう25年以上は前のことです。
近年、筆者のブログ・サイト『レコード・ミュージック』
https://record-music.com/
に「レコードの種類と歴史」の項を作ってみたことで、
「16回転のレコード」の情報も入れました。
情報そのものは珍しくもありますが、本当に短期間ゆえの出来事ですから、
詳しくも書きませんでしたが、案外、情報が出ていないらしく、
歴史的には稀少な考察でもあり、多少なりとも
残しておこうと思いましたが・・・・
一応、Google検索をかけてみると、以下のように筆者のサイトから
抜き出されたのが、一番上のトップに出てきたのです!
検索したら、自分のサイトに書いた記事が出てくるって、
「一体、誰が書いたと思ってるやねん!」と独り言をつぶやくも、
せっかくサイトを運営しているのに、心情的には複雑です(苦笑)
他にも同じように抜き出された記事もあり・・・
そういった事情で、これからは記事の内容によっては、
部分的な有料記事にさせていただくことにしました。
ミステリアスな知的好奇心を満たすための記事として、
お読みくださる方と、筆者が
お互いに良ければの精神で、まとめてみました。
御興味をお持ちの方に、購読いただけましたら幸いに存じます。
記載した主な項目内容は、大体こんな感じです・・・
◎筆者が初めて手にした「本当の意味での16回転のレコード」(写真付き)
◎ある商品のために誕生したのが16回転のレコードだった(ある商品の画像付き)
◎16回転のレコードの情報と、企画販売された16回転のレコード全リスト
◎レコード・リストに見る録音内容と、商品の結末
◎アメリカで一般向けに作られ始めた16回転のレコード(写真付き)
◎業務用に使われた16回転のレコードの誕生と結末(写真付き)
◎日本で発売された16回転のレコードを求めて(写真付き)
◎日本ビクターで作られた16回転のレコード(おそらく)全リスト
◎16回転のレコードの経緯と全貌のまとめ
☆ ☆ ☆ ☆
ここまでが、序章部分の無料記事で、実際の「note」には
以下に有料の記事がありました。
追記:2024年5月11日
以下、本題に通じる部分からを1500円の有料記事として、
2024年4月11日から、
筆者のサイトからのリンクも張って、1ヶ月間に渡り公開してみました。
noteでの記事数はまだ少ないものの、一番多く読まれていたようです。
しかしながら、結果として1度も売れなかったため、
需要として価値が無かったか、対価を支払っても読みたいと
思っていただける記事ではなかったという結果だったのでしょう。
当時の現物、または当時資料などを
探し出して(対価を支払って)入手し、
手間暇かけてまとめることをするならば、
時間的にも費用的にも、とても1500円で見合うものではなく、
筆者としては、それを1500円さえ出せば、
全部の情報を得られる訳ですから、
非常にお得で効率的なものに思えました・・・が、
まぁそれも、お互いに一期一会です。
筆者としては残念でしたけれど、
noteでは「もう提供しない」という結論にいたしました。
お読みくださり、誠にありがとうございました。
磯崎英隆
© 2025 磯崎英隆 (Hidetaka Isozaki)
筆者の他の「note」記事は、以下から御覧ください。
https://note.com/record_music
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