魅惑のミステリー・ヴォーカル・・・ビンボー・ダナオ、さらに、ジェレ・コスビィ、そして、デキシー・クロスビー・・・誰それ??? 麻生京子さんや、梅宮辰夫さんは知ってても(笑)

幼少の頃、おばあちゃん家(母の実家で、横浜市南区にありました)に行くと、
古い家でしたから、古いものも沢山あって
不思議な感覚になったものでした。
棚の上に、昔のデザインが印刷された色んな箱があって、
それを見上げては「あれは何が入っているの?」と、
おばあちゃんに言っては、おじいちゃんに取ってもらう
という事をしてました(笑)
箱の中には、古いパンフレット、何かの道具など・・・
見たこともないような物ばかり・・・でも
何か古臭い物は懐かしく感じたり・・・?

そんな「思い出の箱」を覗いた時のような、
未知のレコード・ケースを開けてみたような感覚を思い描いたのが、
『資料録音(17)』国内版レア・トラックス でした。
収録のアーティストには
ビンボー・ダナオ、ジェレ・コスビィ、
デキシー・クロスビー・・・とあり・・・誰、それ?(苦笑)
 

『資料録音(17)』国内版レア・トラックス(XP-10017)

収録順曲目(ヴォーカル・アーティスト名):

涙の乗車券(麻生京子:後に麻生レミに改名したロック・シンガー)
かわいい小鳥(飯島ふみか:劇団で勉強中の20歳前で吹き込んだ音源)
ボーイ・ハント(中島そのみ:歌手で女優、代表曲『フラフープソング』)
レモンのキッス(島あけみ:ジャズ・シンガー、役者で映画『バリカン親分』他に出演)
僕は気ままに(中村哲:東宝専属の役者、宝田明 主演の映画『香港の夜』他に出演)
愛の讃歌(久保 菜穂子:女優、主演映画『君ひとすじに』)
ハネムーン・ソング(ビンボー・ダナオ:女優の淡路恵子と結婚していたフィリピンの俳優)
ハネムーン・ソング(中川姿子:社交ダンスで有名な舞踏家、中川三郎の二女で女優) 
プリンセスではないけれど(デキシー・クロスビー:アメリカの歌手、ニッポン放送のDJ高崎一郎によって日本に紹介された)
九州炭坑節(ジェレ・コスビィ:日本映画『白い肌と黄色い隊長』他に出演しているアメリカ人タレント、ジャズ・シンガー) 
民謡花笠音頭(梅宮辰夫:俳優、タレント、23歳時の初吹き込み録音か???)
黒い霧の町&今日限りの恋(一般市販品でない版)(赤木圭一郎:俳優、主演映画『拳銃無頼帖 抜き射ちの竜』他)

御年配の方には、懐かしいとお感じになる
アーティストや楽曲もあると思いますが、ここで収録の
アーティストが有名かどうかの露出度には大きな差があるため、
全部の作品に同一の想いを感じられることは、
おそらく無いと思います。

収録作品を選んだ私も、何となく目についた録音を
リストして行ったため、「売れそうなもの」という定義は
全く無いのです(笑)
レコード会社のビジネスでは、お客の目を引いて、
売れそうなものを必ず取り上げると思いますけれど、
そういった選曲方法では面白く無いので、
上記「未知のレコード・ケースを開けてみたような感覚
のCDアルバムにさせていただいた訳です。

ビンボー・ダナオ」だなんて、随分ふざけた芸名だなぁ・・・と
思ったのが第一印象でしたが、フィリピンの方ということを知るも、
まさか本名であるとも思えず、どうなんでしょう。
女優の淡路恵子さんと結婚していた方として知られておりますが、
亡くなっているのが昭和42年7月ですから、
私も生まれる前の年代ですし、今となっては御年配の方しか、
リアルタイムを御存知ないでしょうね。
ちなみに私の両親に「女優の淡路恵子さんと結婚していた
ビンボー・ダナオ」を知っているかどうか聞いてみたら、
母親は「知らない」と言い、父親は「聞いた事あるけど詳しくは知らない」
でした。そんなに有名ではなかったのかも。

アメリカ人で「長身の金髪美人娘」として、日本でも知られていたという、
ジェレ・コスビィは、『キネマ旬報1960年10月上旬 秋の特別号』にて
掲載されている、日本映画『白い肌と黄色い隊長』の項で知りました。
ジャズ・シンガーとして紹介されているため、
ジャズ・ヴォーカルのレコードが出ているのだろうと思って
探しましたが、これが全く見つからず・・・不思議です(笑)

ジェレ・コスビィは、少なくてもいくつかの情報はある訳ですが、
デキシー・クロスビー辺りのクラスになると、
これはもう全く見当がつかない程の超・マニアックなアーティストです。
活動も一時的だったのか、それとも、ある地方でのみ人気で、
地域限定の活躍だったのか、
詳しい情報はないものの、音源は発売(自主制作盤ではない)されている
訳ですから、デキシー・クロスビーという歌手がいたのは
間違い無いのでしょう・・・でも歌は下手なような・・・???

色々謎も多いものの、それはそれで
「未知のレコード・ケースを開けてみたような感覚」・・・
お楽しみいただけましたら、私の企画は成功ということに
なるのですが、いかがでしょう(苦笑)

御試聴は、リンク先の『懐的音館』の商品ページにて出来ます。