マーキュリー・レコードからのビジネス・レター(中編)

マーキュリー・レコード (Mercury Records)
本社レター・ヘッドの一部に、きれいな緑色が使われた
「advice from price」という書類です。
日付は1956年(昭和31年)1月11日。

このタイトルをそのまま解釈すれば、
「値段からのアドバイス」になり・・・意味不明になりますが、
この書類の発行(差出)人の
モーリス・プライスという人物の名前、
「プライス氏からのアドバイス」というタイトルの
書類になります。マーキュリー・レコードの営業の
要職だった方なのでしょう。

書類の拡大部分です。

まずここには、
今週のビルボード誌(ヒット・チャート雑誌のひとつ)の
「ザ・レヴュー・スポットライト・オン・・・」という
コーナーにて紹介された、自社のレコード企画シリーズ
「トップス・イン・ポップス」の文章を
引用するという形で書かれています。

その紹介文は、
「マーキュリー・レコードから毎月発売される
“トップス・イン・ポップス”シリーズ
最新98セントEP盤は、1枚のシングル盤(2曲)
の価格よりも少し高いだけで、
マーキュリー・レコードのベストセラーを含んだ
4曲がパッケージされています。
このバーゲン価格にて、お客さんに提供される点は、
レコード販売店にとっても見逃せないほどの
魅力があるでしょう。
このEP盤のカラフルなジャケットには、
サラ・ヴォーンの(曲名)、
(以下、アーティスト名と収録曲が続き)等があります。」

・・・そんな感じのことが書かれていました。

「トップス・イン・ポップス」シリーズのEP盤、デヴィッド・キャロル楽団

ビルボード誌で、マーキュリー・レコードの
「トップス・イン・ポップス」シリーズが紹介された
という記事で、このシリーズの更なる売り上げを狙った通知
だったのでしょうね。
そして、レターの下半分には、
マーキュリー・レコードのヒットしているシングル盤の
リストを載せています。

ザ・プラターズの「オンリー・ユー」等がありますね。

(続く)