アメリカ映画『慕情』で観たウィリアム・ホールデンのレコード

日本では昭和30年11月に公開されたという、
1955年製作のアメリカ映画『慕情』のテーマ
(正確には「恋はすばらしきもの」という曲名)を
子供の頃からラジオで耳にはしていたものの、
それがこの映画からの曲であるのを知ったのは、
高校生になってからでした。

当時、中古で入手した楽団のLPレコードの
中に入っていたからです(笑)
とても印象に残るメロディーで、
同じアメリカ映画『ウエストサイド・ストーリー』の
トゥナイトに続いて、私のお気に入りになりました。
それで、この『慕情』という映画を観てみたいと
思っていた所に、東京12チャンネルで
(確か日曜日だった)昼間に放映したんです。

内容にはあまりピンと来ませんでしたが、
とにかく背景に流れる音楽には、
そんなに多くなくとも集中してました。
思い出になった、この映画の主役、
ウィリアム・ホールデンと
ジェニファー・ジョーンズのお二人は、
何と、その後にレコードで対面しました(笑)

ジェニファー・ジョーンズの方は、
彼女の出演した映画のテーマ演奏を収録した
1950年代のLPレコードでしたが、
ウィリアム・ホールデンの方は、彼の自宅で
演奏されたものという、私にとっては
ミステリアスな想像に掻き立てられたレコードでした。

ウィリアム・ホールデンが出演する他の映画では、
冒頭の事故シーンがあまりにショッキングで
好きになれない『アドベンチャー・ロード』、
テレビ神奈川で夜に放映していたのを観たモノクロの
『サンセット大通り』、他にオードリー・ヘプバーンとの
『麗しのサブリナ』辺りは観ていますが、
彼が民族楽器をコレクションしていたとは
映画情報からは得られず、レコード現物で知った情報です。

このレコードの中では、映画『慕情』のロケのために
香港へ行った際、そこの骨董屋で買ったという
巨大なゴング・ウォングが、演奏の目玉になっています。
もちろん、楽器ではなく骨董ということで売られていた
古いもののため、使えるようにするまでには、
チューニングをはじめとして、相当な手が
加えられているそうですが、
そんな映画のロケの時に買われたものだと
想像しながら聴くと、それもまた楽しいものです。

私にとっては、映画『慕情』のテーマから繋がって、
ウィリアム・ホールデンという俳優が唯一残してくれた
ムード・ミュージックの興味深いアルバムは、
生涯にとっての心の財産になりました(笑)
本当に色んな意味でのミステリアスな過去の音場体験です。

それだけに、とても素晴らしい作品のため、
ここに「あなた様へのおすそ分け」として
復刻させていただいてますので、御紹介させていただきました。
親日家だったこともあり、日本の情景を含んだ曲も入っています。

ウィリアム・ホールデン・プレゼンツ『東洋の印象』(ST-209)

曲目:
ジャンク・シティー・ホンコン / 九龍からロンドン急行
東京の路面電車 / 証城寺の狸囃子
京都のメリーゴーランド / 花祭り
ムーンフラワーズ / マレーヤン・ナイトバード
ジャワ島の渓谷 / ペティート
はすの花の国 / 山は高く、谷は深く
(曲間含む合計:31分15秒)

(再生ボタンを押すと音声ファイルを読み込みます。音質は製品と同じではありません。)


この復刻CDは、当方の『懐的音館』にて入手できます。
https://edison-international-records.com/product/209