『フジヤマ・ママ』で、ワンダ・ジャクソンを知ったものの、ワンダ・ジャクソンのレコードは高くて買えなかった思い出

ワンダ・ジャクソン(Wanda Jackson)を知ったのは、
1986年に購入した音楽CDでした。
当時の私は高校生で、買ってもらったミニコンポで
FMラジオのオールディーズ番組をエアチェックしては、
「どんな音楽があるのか?」を冒険するように
楽しんでいましたが、私の記憶では、ワンダ・ジャクソンの
レコードは流れた覚えがないのです・・・ 

この頃、ほとんど毎週日曜日の午後は、両親兄弟と
ディスカウント・ストアに行っていて、
その中にあった、ご夫婦でやっているらしい
中古レコード屋を見るのも楽しみでした。

当時の音楽CD(新品)の値段は、3200円が中心で、
3500円、3800円という定価のものもありましたから、
小遣いで買うのは、ちょっと大変な訳です・・・が、
その中古レコード屋の店内には、
新品で2000円位の定価の音楽CDもあったんです!

ジャンルは色々ありましたが、
どれも聞いたこともないレコード会社?の音楽CDで、
新品のCDを扱うレコード屋さんでは扱っていない
会社(レーベル)のようです。

それで、そのオールディーズの音楽CDを買ったんですね。

もう今は手元にありませんけれど、
12曲ほど入っていた、このCDの最終曲が、
ワンダ・ジャクソンの歌う
『フジヤマ・ママ (Fujiyama Mama)』という曲でした。
この安く買えるCDには、解説も何もなく・・・
ただ、どっかの風景に『オールディーズ』とだけ印刷された
1枚の紙(ジャケット)が入っているだけ。
裏面は印刷がなく、真っ白(苦笑)
ワンダ・ジャクソンの情報は、当時の私には
何も分かりませんでした。

少しエキゾチックに聴こえる『フジヤマ・ママ』は、
変わっていて面白いと思いました。
有名レコード会社から発売されたオールディーズの
音楽CDは、いくつも後に買いましたが、
ワンダ・ジャクソンの歌う『フジヤマ・ママ』が
入ったものはありませんでした。

復刻CDでは聴けなかった楽曲を求めて、
オールディーズの(当時、発売された)中古レコードを
探すようにもなっていたものの、時はバブルの真っ最中! 
日本で発売されたドーナツ盤には、
もの凄い値段がつけられていた時代です。

例え、中古レコード屋で見つけて喜んでも、
私にとっては買えずに、ため息をついて
諦めざるを得ないような時代でした。
中でもワンダ・ジャクソンは、どのレコードにも
高額な値段がつけられていた一人です。

そのワンダ・ジャクソンの日本でのヒットは、
昭和33年の『フジヤマ・ママ』だけ、だったそうです。
しかも、この曲はアメリカでヒットしていません。

とりあえず、この音楽CDで『フジヤマ・ママ』は
聴けたから、彼女の他の曲も聴いてみたいと
思った訳ですよ・・・でもねぇ・・・
復刻CDは見つからないし、中古レコードは、
どれも凄い値段になっていて(苦笑)

当時の日本盤シングル(裏表で計2曲のドーナツ盤)で、
数万円も出すなら、当時アメリカで発売された
オリジナル盤のLPレコードを買いたいと思い・・・・ 
現在のように気軽にネット通販で外国から
取り寄せることも出来なかった時代ですから、
ちょっと“二の足を踏む”訳ですよ、
それでも数万円かかるので(苦笑)

当時行きつけの、いくつかの中古レコード屋さんで、
この手の高額な中古レコードの話になると、
私たちは他の客も含めて、いつも論争になってました。

私は「例え数万円かかっても、当時のレコードの
音で味わってみたい」と思い、
中古レコード屋の店主などは「もったいない、
他の良いレコードを多く買った方が良い」と言います。

ワンダ・ジャクソンのLPレコードは、1980年代に
フランスで復刻されたものなどが比較的、
入手が容易だったものの、それでも数千円は
していたので、私の眼中にはありませんでした。

・・・ワンダ・ジャクソンの歌う
『フジヤマ・ママ』・・・昭和33年(1958年)4月に
東芝レコードから発売された、
富士山のイラストをバックに本人の写真が載っている
ドーナツ盤の中古レコードは、一度見ています。
でも、高くて買えず、結局そのままになってしまいましたが、
他のカントリーを歌う日本盤シングル(横浜にあった
中古レコード屋のアストロで、3万円位した)と、
ロックンロールのオリジナル盤LPレコードは購入しました。


『There’s a Party Goin’ On』Wanda Jackson (Capitol T-1511)

そのLPレコードの方が、
(上)写真にある1961年3月にアメリカで発売された
LPレコード(オリジナル盤)です。
アメリカから取り寄せたのではなく、1995年頃に
日本国内の中古レコード屋で購入していますが、
現地アメリカでも200ドル以上していた気がします・・・ 

現在からすると、1961年は既に60年以上という
年月が経っている訳ですが、この実際に存在していた
レコードからの音、つまり「当時のレコードの音」
というのが、色々想像を掻き立てられるのです。
これは、いろんなレコードを実際に聴いてきた方にしか、
実感がないかも知れませんけれど、
違いがあるんですよ。
音がいいとか、そういった面ではなくて、
芸術的な、感性の部分・・・言葉ではうまく
表現できない面の部分が、確かにあるんです。

ワンダ・ジャクソンのオリジナル盤と、『資料録音(38)』(XP-10038)

せっかくなんで、写真のオリジナル盤
『There’s a Party Goin’ On』Wanda Jackson (Capitol T-1511)
からの音を『資料録音(38)』(XP-10038)として、
復刻CDを作らせていただきました。

このLPレコードが発売された当時、
ラスベガスのゴールデン・ナゲットなどの華やかなステージで、
彼女と共演しているメンバー「パーティー・タイマーズ」が
バックを飾っていて、
その中にはロイ・クラーク (Roy Clark)という
ギタリストも含まれています。
このロイ・クラークのギターだけ注目しても楽しい1枚です。

ワンダ・ジャクソンに限りませんが、
「値段が高くて買えなかった」・・・という苦い経験のもと、
そして「知られていない音楽を知る楽しみ」も合わせた
自らの経験から、それらを満たすことを提供したいと思ったのが、
1996年に開設したホームページへとつながったのでした。

© 2026 磯崎英隆 (Hidetaka Isozaki)

English Summary

I first discovered Wanda Jackson through an oldies CD I bought in 1986 when I was still a high school student in Japan.

At the time, I enjoyed recording oldies programs from FM radio onto cassette tapes and exploring unfamiliar music. Surprisingly, I do not remember hearing Wanda Jackson on Japanese radio then. Instead, I encountered her music through a cheap budget CD sold at a small secondhand record shop inside a discount store my family often visited on Sundays.

The CD itself was very mysterious. It contained only a simple paper cover that said “Oldies,” with almost no information about the artists. The final track was “Fujiyama Mama,” sung by Wanda Jackson. I knew nothing about her, but the song sounded exotic and exciting to me.

Later, I bought many officially released oldies compilation CDs in Japan, yet I almost never found “Fujiyama Mama” included on them. Eventually, I began searching for original oldies records instead of reissue CDs. However, this was during Japan’s economic bubble era, when rare imported and Japanese oldies records were often extremely expensive.

Japanese pressings of Wanda Jackson records were especially costly. Even though “Fujiyama Mama” had reportedly been her only major hit in Japan in 1958 — and not a hit in the United States — her records had become highly collectible among Japanese oldies fans.

Back then, I often argued with record shop owners and other collectors about expensive records. I believed that even if an original record cost a great deal of money, hearing “the sound of the actual record from that era” had special value. Others insisted it was better to spend the money on many different records instead.

In the end, I was unable to buy the famous Japanese single of “Fujiyama Mama” with the Mount Fuji picture sleeve released by Toshiba Records in 1958. However, I later managed to buy some original Wanda Jackson records, including the American LP There’s a Party Goin’ On (Capitol T-1511), originally released in March 1961.

Even today, I feel that original records contain something beyond simple sound quality. There is a certain artistic atmosphere and emotional presence that is difficult to explain in words but can be felt when listening to the actual records from that time.

Because of these experiences — wanting to hear music that was difficult to obtain, and wanting to discover forgotten music unknown to many people — I eventually created my website in 1996.

Many Japanese people first learned about Wanda Jackson through the hit “Fujiyama Mama” in 1958. About 28 years later, I discovered her through a reissue CD.

And you — when did you first discover Wanda Jackson?
Perhaps… through this article?