日本で有名な、お正月にかかる琴の演奏曲『春の海』と、謎のレーベル「Grand Prix」
日本に住んでいる、おそらく全ての世代の人が聴いているであろう
「お正月に流れる琴の演奏曲」・・・『春の海』です。
日本のお正月では、全国にわたって広く、
必ず流れる代表曲といえるでしょうか。
日本民謡とか、伝統的な曲に思えますけれど、
琴の演奏家で、作曲家でもある宮城道雄 氏が
昭和4年(1929年)12月に作曲したもので・・・
つまりポピュラー音楽なんですよね。
宮城道雄(生:1894年〜没:1956年)氏によると、
船で瀬戸内海を旅行した折、
島々に花が美しく咲いている様子や、
春の海ののどかな様子を想像して作った、
琴と尺八の合奏曲なのだそうです・・・ですから、
お正月とは直接関係がないのですけれど、
日本ではこの曲が、
お正月になると各所で頻繁に使われるので、
いつの間にか、お正月に流す印象を
みんなが持っているのでしょうね(笑)
写真は45回転のEP盤(ドーナツ盤)です。
片面に1曲ですが、2曲分以上に匹敵する長い演奏のため
EP盤扱いになり、定価は700円です。
1956年頃に発売されたものと思われますが、
この時のシングル盤(片面1曲で計2曲)の定価は350円です。
アメリカでは、
日系2世のアメリカ人音楽家 Tak Shindo 氏が、
『春の海』ほかを日本で吹き込み、そのLPレコードが
1963年頃に発売されています。
これはアメリカ国内で、当時売れたらしく、
後(1970年代)に追加でプレスしているので、
中古でも案外出回っているかも知れません。
後から作られた(プレスされた)LPレコードは、
比較的に盤が薄く、小さな別紙のライナーが付属しています。
そして、このアメリカで発売されたLPレコードの
レーベル「Grand Prix」については、欧米のレコード研究家も含め、
日本でも解説した(資料として残した)ことのある方がいないため、
いずれ別記事で、させていただこうかと思っています・・・(笑)