江戸時代の優雅なムード『六段』


宮城道雄 氏の『春の海』を取り上げさせていただいた続きで、
その宮城道雄 氏が演奏する『六段』という曲も
また、日本に住む私たちには馴染みのある作品です。
この『六段』は随分古くから伝わっている曲だそうで、
もともと歌詞はなく、“段もの”と言われる箏曲のひとつだそうです。
作者は、八橋検校(やつはし けんぎょう、
生:1614年〜没:1685年)という三弦(現在の三味線)の
名手だった人物とされているそうですが、
異説もあるそうで、
「おそらく八橋検校ではないか」という事らしいです。


日米蓄音器製造 株式会社(後の「日本コロムビア」)時代のSP盤です。
写真のラベルは、右側から読みます。
発売は、明治43年か44年(1910ー1911年)頃?ではないかと思います。

片側(片面)にしか音溝はないので、裏だけ見ると「お盆」みたいですね(笑)

こちらは(下)の方です。

八橋検校の作品とされる『六段』『八段』そして『十段(みだれ)』と、
後から作られた『五段』『七段』『九段』という曲が、
「段もの」とされる純音楽だそうです。
おおらかな生活感情が感じられる、
江戸時代のムードとして解釈しても面白いですね(笑)