桂喜代楽、桂愛子による昭和の漫才『三菱さんのどえらいテレビ』(超・稀少録音)
昭和のテレビ(番組ではなく機械の方)というと、
どんな感じのスタイルを思い浮かべますか?
筆者の幼少期に家にあったのは、家具調の大きなテレビでした。
奥行きも横幅も大きくて、
ステレオ音声でもないのに、大きなスピーカーと
小さなスピーカが2つずつ左右に付いてました。
これで、『デビルマン』とか『バビル二世』などを観てたんですね・・・
そのうちに、このテレビが壊れて、
少し小さなテレビに変わったのですけれど、
まだチャンネルを変更するのは「つまみで回す方式」でした。
しばしば泊まりに行っていた、横浜にあった母方の実家の
テレビは2台あって、大きな家具調のテレビと、
居間には小型のテレビがあり、この小型のテレビが壊れたことで、
祖母が最新式の(当時としては)大きなナショナル製テレビを買いました。
チャンネルを回すのに、つまみでなく、
タッチ式のボタンなんですね(笑)
これを見たみんなが衝撃を受けました!
「回さなくていいんだ」って(笑)
しかも、音量のボリュームも、回すのではなく、
スライド式になっていて・・・
1978〜79年頃だったと思いますが、
その辺りの時代から、テレビのチャンネルは
タッチボタン式になっているのかも知れません。
時代はこれより少し前、1977年に
三菱電機が「ダイヤトロン(DIATONE)」ブランドで、
高級化路線シリーズのテレビを売り出しました。
鮮明画像、大画面化、高音質化、タッチ式電子チャンネル、
リモコンなどの機能があったようです。
これら高級化路線シリーズ・テレビの
販売促進のためのパンフレットやレコードが作られ、
その一つに
「桂 喜代楽、桂 愛子」による漫才がありました。
タイトルは、『三菱さんのどえらいテレビ』です。
出囃子が最初と最後にあって8分半位あるので、
漫才の賞味としては7分ほどの時間です。
この三菱の高級テレビをネタに漫才が展開され、案外面白かったです(笑)
出演している、桂 喜代楽(かつら きよらく)、桂 愛子(あいこ)は
戦前から夫婦コンビで長く活動していた漫才師です。
レコード現物は、当時、店頭販売しているような、
大きな店の店内でかけて流していたもののようです。
ちなみにレコードの片面は、男女2人によるアナウンスで、
演出に効果音などを入れ、凝った作りの長いコマーシャルが入っています。
一般に市販されない非売品であったことと、
この企画のシリーズが売られている期間だけの役目だったこと
を考えると、相当に稀少なレコード(そして録音作品)であると考えます。
© 2024 磯崎英隆 (Hidetaka Isozaki)