『楽園を求めて(青い目で見たニッポン)』(Il Paradiso Dell’uomo) 1963年製作、イタリア・日本合作映画
映画題名:楽園を求めて(青い目で見たニッポン)
原題:Il Paradiso Dell’uomo
製作国:イタリア、日本
監督:ジュリアーノ・トメイ、羽仁 進
音楽:ピエロ・ウミリアーニ
1963年製作
本邦公開:昭和38年8月、カラー、上映時間90分
イタリアと日本の合作映画なのですが、
副題「青い目で見たニッポン」のように、
青い目のイタリア人から見た「日本の姿」がテーマになっています。
しかも、神秘であるも残酷なニッポンの姿・・・という説明の
記録映画です。
神秘であるも残酷・・・と彼らが言う日本の風景が、
総天然色カラーで映し出され・・・生活のために
危険を冒しながら富士山麓で楽きょうを拾う女性達の姿、
トルコ風呂、恐山の巫女、自殺の名所、浅草のヌード・ダンサーの生活、
芸者ガールなど・・・・その他、色々。
部分的には現代の日本人でも「?」となるようなものもあります。
昭和30年代の当時ならでは、という時代背景も
あるのかも知れませんが・・・・
ただ、この映画には本来の意味があり、
それがイタリア人の彼らが言いたかったことであります。
それは、欧米にあっても(当時)日本には無い考え方で、
生まれ育った年代によって差があると思いますけれども、
私には「なるほど」と思える日本人の姿でした。
その答え(映画に込められた本来の意味)は、
ネタバレになるので、ここに書きませんが、
当方復刻CD『ヴィンテージ・サウンドで楽しむフィルム・ミュージック
「世界の裏の裏」&「楽園を求めて(青い目で見たニッポン)」編』(EH-664)
のライナーで書かせていただいております。
この映画は記録映画(ドキュメンタリー)なので、
そこに意図的な妖しい音楽を付けるというのも変に思いますが、
音楽だけを作品として鑑賞するには、
何とも不思議なムードで、
「神秘であるも残酷なニッポンの姿」という表現には、
確かにピッタリと感じられることでしょう・・・
そして挿入歌も、イタリアで活躍したという
メイ・ラン・チャン(Mei Lang Chang)という中国人?の
女優兼歌手を使っている時点でミステリアスですが、
この日本語の歌詞も、さらに意味不明になって、
一体どこの国のことだか
訳が分からなく魅力?があるのも・・・といった、不思議な作品です。
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