ナット・キング・コール (Nat King Cole) の未発表音源『シスター・レニー・トラック』1952年4月 

アメリカのキャピトル・レコードの
ラベルが貼られたラッカー盤です。

ラッカー盤(アセテート盤)ばかり
御紹介すると、ラッカー盤は貴重なものなのでは?
という誤解を与えそうなので、
老婆心ながら前置きさせていただくと
「私達が目にするラッカー盤、アセテート盤の
99.9%以上は、単なる試聴盤」
です。

レコード会社内で営業の人達が聴くために使ったり、
発売日前に大きなラジオ局へ
プロモーションとして、渡したりしていた用途の
ものが殆どです。
また、ビートルズなどのコレクター達が
興味を引きそうなアーティストのものには
悪意の偽物(作りもの)もありますので、御注意ください。
1970年代以降のものには、インディーズ・バンドなどが
自主制作で吹き込んだものもありますので、
ここで私が試聴用と申し上げているのは
主に1960年代以前を対象にしたラッカー盤です。

さて、写真のラッカー盤のラベルには

「NAT COLE」「SISTER RENNY TRACKS」「APRIL 1952」

と書かれています。
その昔、私は海外の色んな人達のつながりで、
多くの人達から資料のためにレコードを購入させて
もらっていました。日本で言う「行商」の人達が多く、
(例えば私が)「こういうモノを探している」と
伝え、彼・彼女らはアメリカ国内を旅しながら回り、
客の探しているモノを探して買って来るような商売です。

このラッカー盤が私の手許に来て、
おそらく20年以上は経っているも、実は誰から
購入させてもらったのかを忘れているんです・・・ 
つまり、別のお目当てのレコードがあって、
それ1枚だけの購入では悪いと思って、
ついでに購入させてもらったラッカー盤だった
と思うのですが、よくある試聴用のラッカー盤と
思っていて、気にも留めていませんでした。
(試聴盤でも、タイトル等がきちんと書かれていないことも多いのです)

それから、随分年月が経ち、
近年かけてみたら「?」だったのです。
裏面は録音があるものの、失敗して
音溝に傷が付けられています。

写真のレーベル面は全部で8トラック、
うち最初と最後の2トラックは、
ヴォーカルの無い、何かのテーマみたいな演奏でした。
他の6トラックは、どれも先に
ナット・キング・コールが何か少し話をして、
歌と演奏に入ります。

この中に、とても印象的な
『Unforgettable(アンフォゲッタブル)』もありますが、
例えば1953年頃の
キャピトル・レコードの資料を見ると、
これはネルソン・リドル楽団の伴奏が
ついた録音しかありません。
このラッカー盤のは、当時の市販レコードの
録音とは違い、ストリングスの伴奏が無いのです。

1953年頃までに ナット・キング・コールが吹き込んだ
Unforgettable(アンフォゲッタブル)』の
シングル(ドーナツ盤、SP盤)には2種類あり、

B面が
Pretend』レコード番号1689(1951年7月発売)
My First and My Last Love』レコード番号1808( 1951年10月発売)

の2枚で、このどちらの 『Unforgettable』も
伴奏はネルソン・リドル(Nelson Riddle)楽団・・・つまり、
ストリングスが入った演奏になっています。
上記の現役盤 資料では、レコード番号1689はリストに無いので
もう廃盤ということです・・・

この12インチLPのアルバムも、上記シングル同様に
ネルソン・リドル楽団による伴奏(同じバージョン)でした。

『シスター・レニー・トラック』とは何だったのか?

色々調べてみたものの、結局分かりませんでした。
ただ、アンリリース音源だったという事が分かって、
ちょうど今、1952年4月から、
70年という年月が経ち、ここにある・・・のでした。